piyopiyo diary

幸せまで五十歩百歩。

24 Apr 2021 晴れ

夕方ジョギング 9 km。 走り始めはまだ心肺が苦しいけどだいぶ慣れてきた。 気持ちよく走れる季節になった。

コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」読了 [booklog]。 「ウッドストック行最終バス」に続くモース警部シリーズ2作目で、これもすごく面白かった。モース警部の激しく思い込みが入った推理と、常識的な相棒のルイス部長刑事との掛け合いとともにストーリーは進んでいく。 明確な読者への挑戦はないのだけど、終盤では謎を解いてみたくなって、前の方のページに戻ったりしながら読んでしまう。 そして真相は想像を超えていて、やられた!という爽快な敗北感が残る。 これぞミステリーを読む喜び。

モース警部が事故死したエインリー警部から引き継いだ仕事は、2年前に失踪した少女の捜索だった。 エインリーは何らかの調査でロンドンを訪れ、その帰りに自動車事故で亡くなったが、その直後失踪したバレリー・テイラーから両親のもとに無事を知らせる手紙が届く。 しかしモース警部の直観は、バレリーは既に死んでいると告げていた。 手紙は本物なのか。 エインリーは何かを掴んでいたのか。 モースはルイス部長刑事とともに捜査を始めた。

モース警部は大胆な仮説に基づいて独特の推理を展開し、何度も間違いながらも真相に迫ってゆく。 40代半ばで独身、音楽とクロスワードパズルを愛好する。 本作でもワーグナーのオペラを聴きに行くのだが、周囲の迷惑な客のせいで集中できず幕間で出てしまう。 その後家で聴くレコードがショルティ指揮の「ワルキューレ」。 ちょうどCDを持っていたので、私もそれを聴きながら書いている。 良いなこれ。 教養の高さもありながら、ストリップを楽しんだりという一面もあって親しみが持てる。 組んで仕事をするルイス部長刑事は篤実な人柄で、モース警部に振り回されながらも良いコンビネーション。蜘蛛嫌いのモース警部に、ふんづけてくれと言われても、「どこかで彼の女房や子供たちが帰りを待っています」と返す優しさがある。 もっと読みたいシリーズ。