piyopiyo diary

幸せまで五十歩百歩。

7 Oct 2008 曇り

2008年ノーベル物理学賞南部陽一郎小林誠益川敏英の三氏が受賞!
おめでとうございます!!

受賞理由は南部さんが、"for the discovery of the mechanism of spontaneous broken symmetry in subatomic physics" (原子核物理における対称性の自発的破れのメカニズムの発見)、
小林さんと益川さんが、"for the discovery of the origin of the broken symmetry which predicts the existence of at least three families of quarks in nature" (自然界に少なくとも三つの世代のクォークが存在することを予言する対称性の破れの発見)です。

一応素粒子理研究者の末席を汚す者として、感無量です。どちらもいつかは必ずノーベル賞を受けてしかるべき仕事ですが、この組み合わせで受賞されるのはちょっと意外でした。「対称性の破れ」繋がりとは、選考委員会も粋ですね。特に南部さんの業績は、受賞が遅すぎたくらい。テーマが微妙にかぶる、2004年の「漸近的自由性」の3人(Gross, Wilczek, Politzer)の受賞の時はかなり不安になりましたが。小林さんと益川さんの仕事は、Bファクトリー実験が一息ついて、LHC実験が始まろうとしている今が、良いタイミングだったのかも。

私のこれまでの研究テーマは、南部さんの提唱したメカニズムをシミュレーションで解明することと、小林-益川理論のパラメターを精密に決定すること、だったので、なんていうかまさに「盆と正月が一緒に来た」(T口さん談)感じです。とにかく喜ばしい。