9月下旬はたった一冊。
- 梶井厚志「戦略的思考の技術」
中公新書、2002年。最近読んだ経済学の本に、ゲーム理論の良い入門書として挙げられていた本です。新書で手頃な分量なのと、親しみやすい語り口に引き込まれて、あっという間に読み終わってしまいました。内容を咀嚼しきれたかというと、もう一度くらい読み込んだ方がよいかも知れない。豊富な例とともに、ゲーム理論に現れるキー・トピックスをテンポよく解説していきます。
目次:戦略/先読みと均衡/リスクと不確実性/インセンティブ/コミットメント/ロック・イン/シグナリング/スクリーニングと逆選択/モラル・ハザード/値引き競争/オークション。
私的には、「インセンティブ」が、社会経済活動を理解するキーになる概念のように思いました。動機付けとか、誘因、と訳されることが多いらしい。この本が述べていることは、日常生活でも役にたつ局面がふんだんにありそうです。
ゲーム理論は、かの数学者フォン-ノイマンが1920年代に基礎付けたそうです。映画「ビューティフル・マインド」で有名なナッシュなどがそれを更に発展させ、現在では経済を理解するのに不可欠なものになっているらしい。この本は気軽に読めて楽しいのですが、どうも数式が出てこない違和感というか、理論としての枠組みが分かった気がしません。もう暫く、経済学関連でいろいろ読み漁ってみよう。