piyopiyo diary

幸せまで五十歩百歩。

レフェリー

やっとレフェリー仕事が片付きました。
研究者以外の人に説明しておくと、レフェリーというのは、論文誌に論文が投稿されたときに、それを読んで、まともな論文かどうかを判断する人です。だいたい同業者に回って来て、たいていボランティア。


今回は迷って迷って迷った末にアクセプト。一度はダメ出しした論文ですが、その時のコメントにはちゃんとした回答が返ってきました。でもやっぱり結論には同意できない。それなりにきちんと手順を踏んではいるのだけど。そこでちょっと発想を転換して、

やったことがきちんと書いてあって、無茶苦茶なことを言ってなければ良しとしよう。読んで同意するかどうかは読んだ人にまかせる。

うーん、これでいいのだろうか....


レフェリーが回ってきたとき、大抵の場合は一通り目を通した時に、「大筋おっけー」か「ダメだこりゃ」のどちらかに分かれます。良い論文は「良い論文だ」で済むし、読んで得るところも多いので、当たると嬉しい。「ダメ」の方がレポートを書くのが大変で、一撃必殺になるように気を付けないといけません。とにかくダメなところを全て指摘すること。でもそんな論文に限って、ここを直したとかあそこを直したとか、小手先の変更をしてきて長引いたりします。まれに、「お前の言うとおりだから全面的に直した!」というのがもう一度全面的に間違っていたり。論文を書くというのはたいへんな作業なので、できるだけ通したいけれど、科学者の良心も譲れません。


今回のは、そういう単純な判断がしにくくて、改めて論文を評価する際のスタンスについて考えてしまいました。結論を重視するのか、過程を重視するのか。シミュレーションは、大規模なものほど、自分でやってみる、ということが難しくなります。何をどうやって、どういう結果が出たか、ということは、それをどう解釈したか、に負けないくらい大事な情報を含んでいます。今回は、その途中の情報を重視、ってことで。

そんな訳で、書いたレポートは短い割に、かなり疲れました。