piyopiyo diary

幸せまで五十歩百歩。

鈴木八司 監修 「読んで旅する世界の歴史と文化 エジプト」

新潮社、1996年。
エジプトに行っている間、ずっと読んでいた本。このシリーズは内容が豊富で、図も多くわかりやすいので気に入っていて、行く先の国の分があればいつも読んでいます。
歴史、地理、特に各都市のガイド、文化、生活など、その国を理解するベースになる情報が一通り解説されています。この情報密度で2900円というのは絶対お買い得。最後の年表や人物辞典も役に立ちます。ほぼ10年前の本ですが、滞在中に受けた印象は、この本からのものによく一致していました。

エジプトといえば、やはり遺跡はピラミッドのような古い時代の王朝のものが中心で、ヒエログリフなどそのころの文化につい目がいきます。それはもちろんエジプトの過去の偉大な遺産ですが、現代のエジプト、等身大のエジプト人の暮らしを理解するには、それ以上にアラブとして、イスラム国家としての理解が重要。その中でエジプト人としてのアイデンティティを模索している模様です。この本は今この国に生活している人々への暖かい視線に満ちていて、親近感が湧いてきます。