piyopiyo diary

幸せまで五十歩百歩。

最近読んだ本 (6月中旬)

もう6月も2/3終わってしまいました。 月日が過ぎるのはページをめくるよりも早い。

  • 草薙厚子「少年A矯正2500日全記録」
    文藝春秋、2004年。 日本中を震撼させた、神戸連続児童殺傷事件(1997年)。 事件についてはWikipediaを参照。 事件当時14歳だった犯人の少年Aは、医療少年院に送致され、社会復帰に向けての治療、教育を受けることになりました。性的サディズムは克服できるのか。社会復帰は可能なのか。 事件を起こすに至った精神状態がどのように形成されたのかを検証し、それを克服するためのプログラムが組まれます。 少しづつ成長してゆく少年の精神を追ったドキュメント。 少年院で何が行われているのかを知るのにも役立ちました。 (本の感想と、この事件の処理に対する私の感想は別です。念のため)
  • テリー・ケイ「白い犬とワルツを」
    新潮文庫、1995年。長い間共に暮らした最愛の妻を、突然失ったサム。体の不自由なサムに、立派に成長した子供たちは優しく接してくれますが、それに甘えず、残る人生を一人で生きてゆこうと決意します。そこにどこからともなく白い犬が現れ、サムに寄り添うように暮らし始めました。しかし白い犬は何故か、サム以外の人々には見えないようなのです。
    誇りを持って生きるということは、どういうことなのか。優しさに甘えるだけでなく、意地を張り通すだけでもない、支え合える人たちがいることの幸せ。積み重ねた人生の重みは、人生の終幕にこそ、その人となりを映し出すもののようです。「あなたには白い犬が見えますか?」
  • トルーマン・カポーティ「夜の樹」
    新潮文庫、1994年。 短編集。 カポーティを読むのは初めてでした。 この本に収められている作品の半分以上は、暗く深刻な印象を受けるものです。 人生にふとしたことで訪れる孤独や不安、それが平穏な日常を壊して行く過程。 生きてゆくのはただそれだけで切ない作業です。 一方で、「銀の壜」や「感謝祭のお客」といった、心の暖まる作品も入っています。
    収録作品: ミリアム、夜の樹、夢を売る女、最後の扉を閉めて、無頭の鷹、誕生日の子どもたち、銀の壜、ぼくにだって言いぶんがある、感謝祭のお客。
  • 太田和彦「居酒屋かもめ唄」
    小学館、2004年 (単行本2000年)。心地よく飲める居酒屋を求めて、ひとり旅立つ。見知らぬ町で、仕事を忘れ杯を重ねれば、人情が身に沁みる。居酒屋探訪の達人が達した境地には教わるところ多く、酒を飲むという行為にも節度や矜持、何よりも感謝の気持ちが大切であることがわかります。「ニッポン居酒屋放浪記」よりも一層叙情的になった、旅情派居酒屋エッセイ。
  • 澁澤幸子「寵妃ロクセラーナ」
    集英社、1998年。
  • 糸川英夫「八十歳のアリア」
    ネスコ、1992年。 副題:四十五年かけてつくったバイオリン物語。